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「副原料」とは

ビールは漢字で「麦酒」と書く通り、麦から造られる。
ホップ・水・酵母はどのビールでも使われているので問題となるのは発酵の原料となる糖質の原料(デンプン)を含む麦芽。
「麦芽100%」と言う謳い文句は糖(デンプン)の原料が麦芽のみで、米やコンスターチ(トウモロコシの粉)などの副原料を使用していないと言う意味である。

副原料使用のメリット

  1. 麦芽と比較してコストが安い
  2. 麦芽の使用率を25%以下に下げることにより、税制上「発泡酒」扱いになり税金が安くなる
  3. 穀類系の副原料を使用すると概して口当たりが軽く、ライトボディになる
発泡酒に限らず、日本の大手メーカーのビールには大抵副原料が使われている。
広告によくある「喉越し」と「キレ」を実現するのに欠かせない要素。
爽快な喉越しと引きかえに、コクや旨味と言ったビールのもう一つの顔は鳴りを潜めてしまう。

あえての副原料

節税や喉越しを軽くする目的だけではなく、ビールに特徴を与えるものとしてあえて副原料を用いる場合がある。
ギネス・スタウトでは真っ黒に焦がした麦芽化していない大麦を用いて、独特のタフな飲み口とクリーミーな泡を与えている。
麦芽化していない小麦も副原料となる。小麦は大麦と比較してタンパク質が多く、泡立ちが非常に良くクリームのような泡が楽しめる。 ベルギービールでは伝統的に糖質として氷砂糖を用いるものがあり、黒い氷砂糖を色付けに使用した濃色ビールもある。
自然発酵ビール・ランビックではサクランボやキイチゴなどのフルーツが糖質原料、風味付けとして伝統的に使用される。
エン麦やオーツ麦、ソバの実を用いたものもビールに独特の風味を与える。

スパイス系副原料

ビールに用いられるハーブ(スパイス)はホップである。
古い時代のビールには防腐や風味付けの目的で様々なハーブやスパイスが用いられていたが ビールとホップの相性が抜群!と分かってからはほとんどホップのみが用いられている。
日本ではホップ以外が使われることは稀だが、ベルギーでは伝統的にコリアンダーやオレンジピール、リコリスなど、ハーブ・スパイスを用いて独特のスパイシーさを出しているものがある。
最近はバニラやトウガラシ、ショウガなどを用いたキワモノ?ビールもある。

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